知ってます? マイクロチップの役割や費用、助成金の出る自治体などについて

意外と知られていないマイクロチップについて・メイン画像

ペット用のマイクロチップについては、震災が起きた際に迷子動物の対策として度々話題に上がります。一方で装着方法や費用、また普及率などについて詳しく知っている方は少ないでしょう。

今回はペット用のマイクロチップについてご案内いたします。

1. マイクロチップって何ですか?

役割について
ペットの個体情報を体にチップで埋め込み、災害での離散、迷子、盗難などで飼い主とはぐれた際に個体確認するための役割があります。

海外にペットを連れていく際には、マイクロチップの埋め込みをしていないと持ち込めない国もありますので注意が必要です。

形状と能力について
マイクロチップは直径約2㎜、長さ8~12㎜程度の円筒形の電子標識器具で、15桁の数字が記録されています。

その数字を専用のリーダーで番号を読み取りあらかじめデータベースに登録されている飼い主の情報(IDナンバー、埋め込んだ日時、氏名、連絡先、動物の特徴、性別、生年月日、担当獣医師情報)とを照合することで、ペットの身元を識別することができます。

リーダーは全国の動物保護センターや保健所、動物病院などに配備されています。

マイクロチップ画像(環境庁ホームページより)
画像引用:(環境省 マイクロチップいれていますか)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/img/pickup/chip.jpg

2. マイクロチップの装着方法

どこで装着するの?
動物病院で装着を行います。

獣医師によって注射器のようなマイクロチップ専用の器具を使って犬、猫であれば一般的には首の背面に埋め込みます。犬猫に限ったことではなく他の動物でも装着することがあり、動物の種類によって埋め込まれる場所は異なります。

3. チップの装着は安全なの?

データは安全? 健康に影響はないの?
まずデータとしては、安全です。一度体内に埋込むと、脱落したり、消失することはほとんどなく、データが書き換えられることもないため確実な証明となり、個体確認が可能です。

耐久年数は30年ほどといわれ、現在の犬猫の寿命を大きく上回ります。

さらに電池式ではない為、半永久的に使用が可能です。また、装着は一瞬で終わり、過度な痛みはないのでペットへの負担も少なく、体内に入った後に破損したという環境省への報告は今のところないそうなので健康への害もないといえるでしょう。

4. チップ装着の費用について

チップ装着の費用は、チップを注射で埋め込む費用とデータを登録する費用がかかります。

埋め込み費用について
チップ自体は無料ですが、埋め込みに3,000円~の費用が掛かります。 自由診療のため費用に幅があります。

データ登録費用について
「動物ID管理普及推進会議(AIPO)」への登録に1,000円がかかり、登録は居住地域ごとに動物病院または飼い主が行います。

5. マイクロチップのメリット

①迷子になってしまった場合、飼い主がわかる
犬猫などのペットが迷子になってしまった場合、送られる場所は、警察署や保健所などです。 保健所での預かり期間は、稀に1か月以上保護するというケースも見られます。
しかし、一般的には3日~7日程で殺処分となり、迷子だとしても殺処分されてしまうケースもありますが、保健所にはマイクロチップリーダがあるため、飼い主が分かれば連絡が入ります。

②盗難防止
純血種の子犬などの場合や、チャンピオン犬・猫など優良な血統の場合闇市場での売買目的の為盗難に遭うこともあります。
少なくとも市場に出た場合は、マイクロチップにより飼い主が判明します。

③装着すれば一生涯使える
原則半永久的に使用が可能ですので、なくしたり、再度埋め込む必要はありません。

④安易な飼育放棄の抑制
保健所にはマイクロチップリーダがあるため、マイクロチップから飼い主が分かれば連絡が入ります。今後義務化などがされた場合は安易な飼育放棄の抑制になります。

⑤ペット保険料の割引
一部のペット保険会社では、保険料の割引の対象になるケースがあります。加入したい保険があった場合は、確認してみましょう。

⑥体温の確認ができるマイクロチップもあり
温度の読み取りには専用のリーダーが必要だが、体温確認ができるチップもあります。肛門検温を嫌う犬猫には便利な機能です。必要な方は、埋め込む前に獣医師に希望を伝えましょう。

6. マイクロチップのデメリット

①埋め込み費用が掛かる点
埋め込みと、登録費用で最低でも4000円程度の費用が掛かります。費用には多少ばらつきがあるので、埋め込みをする前に動物病院に確認しましょう。

②ペットへの負担は0ではない
日本では健康被害の報告はないようですが、今後も0とは限りません。年々、技術と精度は上がっていくと考えられますが、体に異物を入れることには変わりません。
また、海外では小さな個体への埋め込みに失敗した事例もあるようです。そのため犬は生後約2週間、猫は4週間より注入が可能ということですが、ある程度成長していたほうが安心といえます。

③データ管理団体は1つではない
登録データを管理する組織は日本では、「動物ID管理普及推進会議(AIPO)」が有名ですが、実はその他にも一般社団法人ジャパンケネルクラブ等があります。
一般的にはAIPOの読み取りリーダーしか置いていない動物病院が多いためAIPO以外のマイクロチップの場合は、かかりつけ医が対応しているか確認しましょう。

④規格が違うマイクロチップも存在する
ISO規格のマイクロチップでない場合、読み取り機器によっては互換性がないため、データが読み取れない場合もありますのでこの点も確認が必要でしょう。

⑤引っ越した際は情報の更新が必要
忘れがちですが、引っ越してしまった場合情報の更新を必ず行いましょう。せっかく装着しても間違った情報では意味がありません。

⑥GPS機能はない
今のところGPS機能はありません。安全面と耐久面からまだ実現はできていないようです。

7. 普及率と義務化について

チップ装着に助成金も!? 装着数と普及率
日本での犬と猫のマイクロチップの普及率は約7.9%(※1)で、助成金がでる自治体もあり、毎年普及しています。

(※1)数値根拠
・2018年10月の犬と猫の飼育頭数は1,855万2千頭(犬:890万3千頭、猫:964万9千頭)
(一般社団法人ペットフード協会 平成30年 全国犬猫飼育実態調査  https://petfood.or.jp/data/chart2018/3.pdf)

・2018年3月8日現在の登録数:1,484 千件(犬:1,183 千件、猫:296 千件、その他:4千件)
(環境省 販売される犬猫へのマイクロチップ義務化に向けた検討について https://www.env.go.jp/council/14animal/y140-44/mat02_1.pdf)

以下表は、助成金を出している自治体の一例です。自治体によって助成される金額や期限や頭数制限に違いがございますので、詳細は各自治体にお問合せください。

 

自治体名 条件 期限 頭数制限 助成金額
横浜市 横浜市民

平成30年5月7日から平成31年3月5日まで(郵送の場合は、平成31年3月5日の消印まで有効)

あり
50頭程度

1頭につき1,500円
(ただし施術費用が1,500円未満の場合は支払った額)
神奈川県 県民(横浜市、川崎市、相模原市及び横須賀市を除く県内地域在住の方)が県内(横浜市、川崎市、相模原市及び横須賀市を除く県内地域)で所有する6ヶ月齢以上の犬 平成30年7月10日から平成31年3月31日まで なし

1頭2,500円まで
※装着費用の額が2,500円を下回る場合はその額。

京都市 京都市動物病院 実施中 年間先着1,000頭 情報登録料の円のみを自己負担
茨城県 茨城県内に在住する犬・猫の飼い主が、実施期間内に茨城県獣医師会会員の動物病院でマイクロチップの埋込みを実施した犬・猫 平成30年4月1日から助成頭数達成日まで 先着1,000頭
(犬猫の区別はありません)

日本獣医師会マイクロチップIDデータ登録料1頭につき1,000円

埋め込み1頭につき2,000円

名古屋市

市内において犬・猫を飼っている市内在住の方

犬においては、登録と平成30年度(又は平成31年度)の狂犬病予防注射済票の交付を受けていること

平成30年5月1日から、猫の場合は平成30年4月2日から交付を開始し、なくなり次第終了 なくなり次第終了

マイクロチップ装着補助券

費用の一部(犬・猫1匹につき名古屋市から1,000円、公益社団法人名古屋市獣医師会から1,000円)が助成

ペット用マイクロチップはまだ日本での義務化はされていません。
日本でも義務化の流れはありますが、埋め込み費用の問題や義務とした場合に、マイクロチップを付けることが難しい野良猫などの対応など課題はあるようです。

【◆2019年6月14日追記】
2019年6月12日に犬や猫に所有者の情報を記録した「マイクロチップ」装着を義務付けることなどを柱とする改正動物愛護法が参院本会議にて全会一致で可決、成立しました。マイクロチップの装着については、飼い主がペットを安易に捨てることを防ぐほか、災害などで迷子になった際に役立つとしています

1)改正動物愛護法のマイクロチップ装着義務についての概要
①犬や猫の販売業者(ペットショップ他)への義務
 マイクロチップの装着と所有者情報の環境相への登録を義務付けられます。
②購入者への義務
 登録された犬猫を購入した飼い主には、情報変更の届け出を義務付けられます。
③既に飼っている人は?
 装着の努力義務を課されます。

2)義務化のスケジュール
原則、公布から1年以内に施行するが、マイクロチップの義務化は3年以内。

8. 海外のマイクロチップ装着事情

日本ではやっと義務化についての法案が通りましたが、世界ではすでに、法令に定め義務化されています。義務化されている地域・国について以下の表にまとめました。

地域 国名
ヨーロッパ イギリス / スイス / フランス / ベルギー / ポルトガル / デンマーク / ドイツ(一部の州)
オセアニア オーストラリア / ニュージーランド
北米 アメリカ(一部の州)
アジア 台湾 / シンガポール / 中国(香港)

こうしたマイクロチップの装着義務化の事情も国により様々で、狂犬病の予防を目的とされることもあります。

ただ、イギリス国内でマイクロチップの装着が義務づけられたのは、狂犬病予防というよりも、「犬の福祉」の確保の観点に基づくものとされています。この「犬の福祉」とは、具体的には、迷い犬が飼い主のもとに戻ることを意味しています。

また、短期間の旅行であっても日本からペットを出国させる際には輸出検疫を、日本に帰国する際には輸入検疫をしなければなりません。その際にほとんどの国でマイクロチップを装着することが義務づけられています。

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8. まとめ

マイクロチップは世界でひとつしかない個体識別番号のため、データベースに登録された飼い主の情報とマッチングさせることができます。はぐれてしまった場合の備えとして現在有効な手段の一つです。また、ペット保険に加入する場合には、割引きのある保険会社もあります。

マイクロチップは現在も普及率が上がっていて、これからもっと広まる可能性が高いと言えます。

メリットは大きいものの、注意点もありますが、愛犬・愛猫にマイクロチップを入れるか検討するきっかけになれば幸いです。

 

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