人間の花粉症の原因というと、杉やヒノキが有名で、くしゃみや目のかゆみ、症状のひどい方だと風邪のように発熱や関節の痛みが出る方もいるようです。
近年では、犬猫にも花粉症の症状がみられることがあり、飼い主を悩ませています。今回は犬猫の花粉症の原因・症状・治療法・予防法についてまとめてみました。
記事執筆:ミケ川(みけかわ)
1男(人)2女(猫)の父。
暇があれば携帯で息子と猫たちの写真を撮るのが趣味。
8歳から現在まで常に動物と暮らしており、肉球からペット保険まで動物関連の情報収集がライフワーク。
そもそも花粉症とは
花粉症とは、花粉に対するアレルギー症状の俗称で、季節性アレルギー性鼻炎・皮膚炎のことを指します。
季節性と呼ばれるのは、原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状が表れるためです。日本では、約60種類の植物の花粉がアレルギーの原因になるといわれており、特に日本において多く植林されてきた杉・ヒノキが花粉症の代表的なアレルゲンとされています。
この花粉症は、人間に限らず犬猫などの動物・ペットにも発生していることが分かっています。
犬・猫の花粉症の原因
犬猫の花粉症も基本的には人間と同じ原因で、杉・ヒノキ・ブタクサなどの花粉に触れたり、吸い込むことによってアレルギーを発症します。
個体差はありますので、同じように花粉に触れても症状のでない犬猫もいます。犬・猫のどちらが花粉症になりやすいかといえば、現在のところあまりエビデンスはありませんが、散歩などで外出機会の多い犬に発症することが多いようです。
原因となる花粉が何なのか特定するには、人間同様に血液検査で陽性反応がでることで確定します。
犬猫がアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎ということで治療をしていて、アレルゲンの確定のため血液検査をしたら、スギやヒノキといった花粉が原因ということがわかるケースもあるようです。
犬猫のアレルギーの血液検査については、現在では珍しいものではなく、各動物病院で可能です。検査費用については、検査項目などによって異なりますが、1万円~2万円程度の出費は覚悟したほうがよいでしょう。
検査費用に関しては、実際の治療として獣医師から検査が必要との診断があった場合や、治療そのものの費用は、罹患前にペット保険に加入していれば、補償の対象となるペット保険会社もあります。長期化しがちな花粉由来の皮膚炎に関しての備えとして加入を検討するのもよいでしょう。
犬・猫の花粉症の症状
初期段階は、様々な疾病でも見られるような症状(かゆみ・くしゃみなど)があり、花粉症とは判断できません。
アトピーやアレルギー性皮膚炎の治療のための検査で、症状の原因は花粉だったというケースもあることから、皮膚のかゆみや炎症が主な症状といえます。症状が起きる部位としては、顔、耳、脇、足先、肛門の周囲などです。
人間の花粉症の場合の主な症状は、くしゃみや目のかゆみ(結膜炎)鼻炎などですが、犬猫の場合もこうした症状がみられることもあります。
症状が悪化するのは、アレルゲンである花粉が飛散するシーズンになります。アレルゲンの花粉が確定している場合は、飛散の多いシーズンはある程度予測がつきますので、日常生活からこまめに気を使ってあげましょう。
犬猫の花粉症の治療
花粉症は、根治が難しい疾患ですので、症状のコントロールが主な治療です。
かゆみが出ている場合は、痒み止めの内服薬の投与や、患部への塗り薬が一般的です。それ以外では、アレルゲンを少しずつ体内に入れて慣らしていく「減感作療法(げんかんさりょうほう)」や肌の状況を保つためシャンプーなどのスキンケアを行うこともあります。
犬猫の花粉症の予防
予防接種などで防げるものではないため、予防のためにはアレルゲンの特定が必要といえます。とはいえ、何も症状がない状態から血液検査というのは、痛がる愛犬・愛猫のことを思うとあまり現実的ではありません。健康な状態で、陽性がでても、花粉が飛散している季節に症状が出るなどの規則性がない場合は、診断が難しいようです。
まずは、一般的な花粉症のシーズンにアレルゲンとの接触を減らすために、飼い主が家の中に花粉を持ち帰らないようにすることです。玄関前で衣服を払うなどするといったことをこまめに行いましょう。
また、犬や猫の散歩については、帰宅時にきちんと手足を拭く、ブラッシングを行い花粉を払うことと、皮膚の状態のチェックが予防につながります。
シャンプーについても有効な予防方法といえますが、シャンプーのし過ぎは皮脂を不必要に取り除いてしまうため、肌を傷つけてしまいますので注意しましょう。
実際にかゆみなどの症状が出てしまっている場合は、血液検査を行い、陽性の場合は治療とともに、花粉の飛散の多い時期は、散歩時に皮膚を保護するアレルギースーツを着せて花粉から守るようにしてあげることも大切です。
まとめ
花粉症に関しては、多くの日本人が苦しんでおり、そうした苦しみが犬猫にも起きていると考えると、想像しやすい疾患といえます。
完治が難しい疾患ではありますが、アレルゲンの特定ができれば、気を付けなければいけない季節はわかりますので、痒みの症状がある場合は、血液検査をするということを検討しましょう。
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