ペット(犬・猫)は人間と違い15年程度の寿命で、どんなに長くても20年程度です。人間の1/4~1/5程度しか生きることはできません。
犬・猫は、ペットというよりも家族として捉えられることが多く、そのような家庭では自分の子供と同じように大切に飼われています。それ故かどうかは分かりませんが、ペット(犬・猫)にも「人間の時間と同じように時間が流れている」と捉えてしまいがちで、まだ若いと思っていても人間に置き換えると50歳以上だったということよくあることです。
犬も猫も高齢にはるのは早く、高齢になると病気も多くなります。今回は高齢になるとかかりやすい病気やケガ、その治療費についてまとめてみました。
ペットの高齢はいつから…?
一口に高齢といってもペットごとに異なります。犬の場合は小型・中型・大型の3つのサイズによっても平均寿命が異なるため、高齢と言われる年齢もズレがあります。ペットの平均寿命と高齢の時期を以下のようにまとめてみました。あくまでも一般的な数値で、実際は犬種などにもよって個体差がありますので、ご参考としてご覧ください。
ペットの種類 | 平均寿命 | 高齢といわれる時期 |
犬 | 14,29歳 | 7〜8歳 |
小型犬 | 14〜15歳 | 7〜8歳 |
中型犬 | 12〜13歳 | 6〜8歳 |
大型犬 | 10〜12歳 | 5〜7歳 |
猫 | 15,32歳 | 7〜9歳 |
*参照:一般社団法人ペットフード協会平成30年(2018年)全国犬猫飼育実態調査 結果
https://petfood.or.jp/topics/img/181225.pdf
ペットは高齢になると病気にかかりやすくなる。
人間と同様にペット達も高齢になれば、免疫力は落ち、病気への罹患率があがります。若い頃はならなかった病気や、関節などにも異常がでることあります。また、ちょっとした上り下りなどでケガをしてしまうこともあるでしょう。
以下ではアニコム損保の家庭動物白書2018より犬猫の年齢ごとの保険金請求割合から病気の罹患率について読み取ってみました。
犬の保険金請求割合の年齢推移表
循環器系疾患、胆管膵疾患 泌尿器疾患・歯口腔疾患・腫瘍は年齢を増すごとに右肩上がりです。消化器系、呼吸器系については免疫などが整っていない0歳時も請求率は高いですが、その後さがり、また年齢と共に請求率は上がっていきます。犬においては年齢と共に請求率は上がっているといえます。
猫の保険金請求割合の年齢推移表
猫は消化器系・呼吸系、耳・目の疾患のように顕著に0歳時にかかりやすい疾患もありますが、それ以外の疾病は年齢と共に請求率が上がっていきます。特に必尿器系、循環器系、肝・胆・膵疾患、内分泌系疾患の請求数は顕著に高くなっていきます。猫においても年齢と共に請求率は上がっているといえるでしょう。
このように年齢を重ねるごとに犬・猫共に保険金請求率が上がります。ペット保険の保険金の請求には、アニコム損保は窓口精算システムを通して行っているので(システムが入っていない病院は領収書診療明細書原本添付による後請求)、実際に病院で治療している形になります。ですからペット(犬・猫)は高齢になると病気にかかりやすくなると言えます。
高齢になるとかかりやすいケガ・病気
以下では犬と猫の高齢になるとかかりやすい病気・ケガについてまとめました。高齢に近づいたら、今まで以上に食事やトリミング、健康管理をしっかり行い、かかりやすい病気に関してかかりつけの動物病院に相談し、健康診断などをうけるなどし、早期発見を心がけましょう。
犬が高齢になるとかかりやすいケガ・病気
高齢犬になった場合、耳や目が不自由になったり、散歩を嫌がったり、食欲が減るといった変化が見えます。「高齢期」は犬種やサイズごとに違いますので、それぞれの高齢期とかかりやすい注意するべきケガ・病気を把握し、普段と変わったところがないかよく注意しましょう。
高齢期において犬種を問わず共通してかかりやすい代表的な病気やケガ
【傷病例】
悪性腫瘍、心疾患(僧房弁閉鎖不全症、心筋症)、白内障、関節炎、皮膚炎、前立腺肥大、子宮筋腫、乳がんなど
前立腺肥大や子宮筋腫、乳がんについては、早い段階で去勢、避妊をしていれば発症率を減らすことができます。それ以外の疾病については早期発見が大切です。また犬は犬種ごとにかかりやすい病気が存在します。有名犬種の高齢期にかかりやすいケガ・病気の例は以下よりご確認ください。
犬種 | 高齢になるとかかりやすくなるケガ・病気 |
トイ・プードル | 白内障 / 感染症 / 心臓疾患 等 |
チワワ | 僧帽弁閉鎖不全症 / 白内障 / 歯周病 等 |
ミニチュア・ダックスフンド | 歯周病(歯肉炎、歯周炎) / 白内障 / 心臓疾患 |
柴犬 | 甲状腺機能低下症 / 眼疾患(緑内障・白内障) / 認知症 |
フレンチ・ブルドッグ | 悪性腫瘍 / 糖尿病 / 心疾患 |
コーギー | 変性性脊髄症 / 白内障・緑内障 / 循環器系疾患 |
ゴールデン・レトリーバー | 眼疾患(緑内障・白内障) / 心疾患 / 関節系疾患 |
ラブラドール・レトリーバー | 白内障 / 悪性リンパ腫 / 関節系疾患 |
猫が高齢になるとかかりやすい病気・ケガ
猫も犬と同じように高齢期になると、走り回ったり、遊んだりなどの活動が減ってきます。元々寝ている時間が長い動物なので、こうした変化が分かり難い個体もいますが、毛ツヤや食欲の減少などは高齢期のシグナルです。見分ける際の基準にしましょう。
高齢期の猫がかかりやすいケガ・病気については、犬ほどその品種による違いは顕著ではありません。7歳から8歳くらいの高齢期になったら以下のような病気・ケガに気をつけましょう。
高齢期に猫がかかりやすい代表的な病気やケガ
【傷病霊】
尿路結石・腎疾患(腎不全ほか)・悪性腫瘍(乳がん・リンパ腫ほか)歯周病など
乳がんについては、早い段階で避妊をしていれば発症率が減る可能性があります。それ以外の疾病については早期発見や普段から食生活などに気を付けることが大切です。
高齢期のペットの治療は高額になる
ペットたちの高齢期の治療は高額の診療費がかかるケースがほとんどです。理由としては以下のようなことが挙げられます。
・老化から病気・ケガが治りづらくなり、通院等の頻度・回数が増える
・慢性疾患、重症の疾患が多く、完治しない疾病も多い
・腫瘍、心疾患など手術が必要なケースも多い
犬の場合特に高額になるのは、「循環器の病気(心臓、リンパ、血管など)」で、手術ありの場合の年間平均診療費は、1,044,371円。手術なしの場合でも96,626円*となっています。
また、猫のかかりやすい「必尿器の病気(膀胱炎、尿結石、腎不全など)」の平均年間診療費は76,590円(手術あり・なし含む)*となり、完治が難しい疾患のため数年にわたり、同程度の診療費がかかることが予測されます。
*参照:家庭どうぶつ白書mini vol.2
https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201803_4.pdf
まとめ
高齢になれば免疫や運動能力の低下によって、病気やケガになりやすくなるのは、人間もペットも同じです。
犬・猫は15年程度で天寿を全うしてしまうため、高齢になるのも早いことを理解しましょう。 より長く彼らと暮らしていくには、歯磨きやブラッシングなどの日々の健康管理を通じて健康・体調の変化に気がつくことのでき状況をつくることが大切です。また、高齢期にはいったらできる限り健康診断を定期的に受けることをおすすめいたします。
ただし、どんなに気をつけていてもケガ・病気になってしまうことがあります。高齢期にケガや病気になったときに十分な治療を受けさせられるように備えることは、ペットと暮らす方皆に重要なことです。
より長くペットと一緒に過ごすために、高齢期のケガ・病気の治療の際の選択肢を、経済的な理由で狭めないよう、ペット保険で備えていただくと幸いです。
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